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セックスボランティアを読んで

以前に紹介したこの本を、やっと読み終わった。
一気に全部読むには、少し根性がいる内容のためだ。
内容が内容なだけに、いささかうんざりするところもあったりして、でも、これは現実の話なんだという思いもあり、最後まで読んだ。

読む前と比べて考え方は、それほど変わらなかった。
良いか悪いかについては、この本は述べられていない。
この本は「障害者の性」についての内容、ということになっているが、読むうちに筆者も言っているように、決してそうではなく、健常者の我々にも当てはまることが多々あり、自分自身の性に対する考え方、それまでの人生を振り返るきっかけになったことは、確かだ。
最後の方に書いてあるのだが、筆者の河合香織さんも少女期に体験したトラウマが、この取材のきっかけだったのは、衝撃だった。
人間が持っている「性」に対する思いというのは、すさまじいなあと改めて感じる。

オランダでは、障害者がセックスをするのに市が助成金を出しているところがあるという。
しかし、「性」に解放的なオランダでさえ、このことを市民に知らせていない。
公にしていないのだ。
オランダも税金をセックスに使われるのは、コンセンサスは得ていないのだ。
日本でも障害者には年金が出るが、この年金を使って「性」処理をしているなどと公になれば、論争になるだろう。
でも、するなとも言えない。
複雑な思いはあるが・・・。

この本を書いた、河合香織さんはすごいなあと思う。
ここに登場する人たちも。
自分なら、冗談で話したり、恋人や親しい友達と話すのならともかく、やっぱり逃げちゃうだろうなぁ、この種の話題は・・・。
この本でさえ、本音を語っているのは、ほんの一部かもしれない。
ただ、公になって論争が起きるようなことが、いいことなのかどうか・・・。
ひっそりと、注目を浴びることなく、それぞれが考え、少人数で語り合うしかないのだろうか?
一歩間違うと、変わった人たちなのだとか、ただのエッチな話題なのだと勘違いされかねないからだ(^_^;)
デリケートな話題であることが、難しくさせているのだろう。
当人たちにとっては我々と同じように、ただ普通に生活したいという思いだけなのだろうけど・・・。
しかし、とにかく真剣なのだと思う、この本の内容は。

健常者が書いた本なので、見えない部分もあるだろう。
この種の書籍もいろいろ出ているみたいなので、障害者自身が書いた本なども、探して読んでみるのもいいかもしれない。
「性」について書かれているだけでなく、その人が送ってきた人生、思い、人生観、取り巻く人たちの人生をも映し出していることに、この本の深さが伝わってくる。
この間見てきた「海を飛ぶ夢」の話題にも通じるところがあり、普段は、まじめに考えることのないこの種の話は、自分にとって特別な本に思えて、読んでよかったと思った。

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» 『セックスボランティア』(河合香織)を読む [お楽しみはこれからだ 05-06]
タブー視されている障害者の性について、セックスボランティアとして従事する介助者や [続きを読む]

受信: 2005.05.04 23:01

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